フランス語人材のキャリアパス~第6回 Mさん~(後編)

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Bonjour !
C’est Kei !

フランス語を使って仕事をしている方にインタビューをして、現在の仕事を見つけたきっかけやフランス語の勉強方について聞いちゃおうという本企画。

日本の美術品を所蔵する博物館に勤務するMさんへのインタビュー後編となります。

ちなみに前編では、Mさんのお仕事内容やフランス語との出会い、そして留学までの経緯に触れさせて頂きました。

3. 日本の美術をフランスへ~留学から帰国まで~

修士課程で念願の美術史の研究に没頭したMさん。留学当初は、「フランスの芸術・文化を学んで、日本に持って帰ろう」と考えていましたが、研究を続け、現地の人々と交流する中で考えに変化が起こり、最終的には「フランス語というツールを使って、日本人の目から見た日本の芸術や文化をフランスに紹介しよう」と考えるようになりました。

美術史の研究においては対象作品が作成された当時の宗教観や政治情勢、社会通念の知識が重要になってきます。というのも、それらがその作品自体や制作過程に大きく影響を与えているからです。Mさんは西洋美術史を研究していたため、時代ごとの背景知識が必要不可欠。しかし、生まれながらにヨーロッパで育ってきたフランス人学生達の知識に追いつくことは至難の業であり、正直「勝ち目がない」と言っても過言ではありませんでした。

「自分には何ができるのだろう」と、Mさんはとても悩みました。しかし、日本に関心のある先生や友人たちと話をするうちに、「自分が日本人であるデメリットではなく、日本人であることのメリットに着目しよう」と視点転換。冒頭のように「フランス語をツールとして利用して、日本をフランスに紹介しよう」という考えに至り、『日本の木版画の技術が、フランスの芸術家達にどのような影響を与えたのか』というテーマにて修士論文を執筆されました。

こうした考え方の変化は、修士論文だけではなく、Mさんの生き方にも大きな影響を与えました。修士課程を修了し、日本に帰国した後は、フランス語の能力を落とさないためにフランス語通訳案内士という国家資格の勉強をし、見事一発合格。その後、現在僕が働いているインバウンド専門の旅行会社に就職され、「フランス語というツールを使って日本の素晴らしさをフランス人に伝える」という想いのもと、僕と共にフランスからのインバウンドを盛り上げるために奮闘して下さいました。

そして、最終的には現在の日本の美術品を所蔵する博物館に転職され、フランス語だけでなくご自身の美術史という専門性を活かして活躍されています。

ちなみに、Mさんがインバウンド専門の旅行会社に就職されたのは、たまたまお友達がこの旅行会社に勤務されており、「うちの会社がフランス語人材を探してるみたいだけど、よかったら受けてみたら?」と声をかけてくれたことがきっかけでした。Mさんも、そのお友達を含め色々なお知り合いに、「フランス語を使って仕事がしたい」と伝えていたそうです。本当にこういったご縁がきっかけでフランス語関係の仕事に就けることもあります。皆さん、できる限りご友人やお知り合いにご自身の思いを伝えるようにしてみて下さい。きっとチャンスが広がると思います。

4. フランコフォンの皆さんへのメッセージ

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Mさんからは、フランス語学習のモチベーションを維持する方法について、フランコフォンの皆さんにメッセージを頂きました。

「色々な方々が言われていることですが、語学はツールです。そのツールを使って達成・実現したいことを思い浮かべることが、勉強のモチベーションにつながると私は思います。私はフランス語を使って、日本の素晴らしさをフランス人に伝えることで、日本のファンを増やしたいと考えていました。そうやって自分の夢のようなものを考えることで、勉強が辛いときも頑張れたと思います。また、フランス語そのものを楽しむために色々と工夫しました。フランス語で戯曲を読んでみたり、歌が好きだったので、シャンソンを習ってみたり。そういう風にフランスの文化というか、エスプリに触れることも、モチベーションの維持には大切なことだと思います。

Mさんは、フランス文化や美術が好きな方のために、以下のアドバイスも下さいました。

「フランス人は、文化や伝統を重んじる精神を根底にもっていると思います。しかも、フランス人の美意識は、日本人のそれに通ずるところが多くあると感じます。そのためでしょうか、フランスでは日本美術に関する展覧会が頻繁に行われています。そして、日本の新聞社やテレビ局などの文化関連の部署では、現地取材をする機会も多くあるようです。フランスの文化や美術が好きな方は、美術館・博物館のほかにも、マスコミ関係や、こういった取材をコーディネートするお仕事を狙ってみるのもよいかもしれません。」

第5回の村田さんが、まさしく取材コーディネートのお仕事をされていました!こういう仕事は、フランス人・日本人問わず、マスコミ業界においてニーズがあるようですね。

「フランス語人材のキャリアパス」は今後も続いて参ります。

お楽しみに!

À très bientôt
Kei

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