フランス人観光客はいつ日本に戻ってくるのか~インバウンド専門旅行会社社員の考え~

こんにちは!
フランスまとめサイト管理人の伊藤圭(@Kei_japonais)です。

新型コロナウイルスが2020年1月28日に厚生労働省によって指定感染症に指定されて以来、訪日外国人観光客の来日はほとんどストップしています。

ただ最近なって漸く、政府によって「ワクチン接種証明証」の運用に関する議論が始められました。
これを受けて日本旅行業協会は、ワクチン接種者を対象とした「行動制限の見直し」や「海外から帰国時に求められる14日間の隔離の緩和」に関して、期待感を示しています。

ワクチンパスポートの行動制限緩和に旅行業界から期待感。「マーケットが動き出して地域経済の活性化に寄与」(Impress Watch) - Yahoo!ニュース
 JATA(日本旅行業協会)は9月10日、新型コロナウイルスワクチンの接種で段階的に行動制限を緩和するという政府の方針を受けて、業界団体としての期待感をコメントした。  政府の発表では、ワクチン接
管理人
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実際に「ワクチン接種者への行動制限の緩和」がなされたとして、いったいフランス人観光客はいつになったら日本に戻ってくるのでしょうか?

今回はインバウンド専門の旅行会社に勤務する管理人が、フランス人による日本旅行の特徴を上げながら、「需要回復時期」について考え示したいと思います。

初めての方向けに自己紹介。

  1. 東京生まれ東京育ち、仕事の都合で現在関西在住の36才。
  2. 大学生の頃にパリへの交換留学を経験(約1年間)。
  3. 2013年11月にインバウンド専門の旅行会社(大手旅行会社のグループ会社・取引先はほぼ全世界)に転職で入社。
  4. 海外営業部のヨーロッパを担当する課に所属し、7年以上、日々フランス語と英語を使って仕事をしている。
  5. DELF B2(フランス語)・ TOEIC 825(英語)
  6. 総合旅行業務取扱管理者(国家資格)所持。
  7. 東京オリンピック2020フランス空手代表チーム新潟市事前合宿にリエゾンとして帯同
  8. アンサンブルアンフランセ公認インフルセンサー
  9. 「フランス語の仕事に就きたい」という人を応援するフランス語キャリアアドバイザー

1. 訪日外国人観光客ってどれくらい日本に来てたの?

フランス人観光客のお話をする前に、まずは訪日外国人観光客に関して概要を確認したいと思います。

訪日外国人観光客数は2019年がピークでした。

日本政府観光客(JNTO)の発表によると、2019年は31,882,049人の外国人観光客が日本に旅行に来ています。

ちなみに、2020年はコロナの影響で4月以降に来日がほとんどできなかった状態であったため、訪日外国人観光客数は4,115,828人でした。
前年比-87.1%という驚異的な落ち込みを記録しました。

フランス人観光客についても、2019年がピーク。
336,333人のフランス人が日本に旅行にやってきていました。

対して、2020年は43,102人。
前年比は-87.1%を記録しました。

2. フランス人観光客の特徴

訪日外国人観光客の旅行形態は、大きく分けて以下の2つに分けられます。

1.個人旅行(Foreign Independent Tourの頭文字を取って、FIT(エフアイティ)と呼びます)
2.団体旅行

そして、2018年の観光庁の発表によると、フランス人訪日観光客の約91.6%が個人旅行であり、約8.4%が団体観光客ということが分かっています。

管理人
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毎年比率は異なると思いますが、例えば2019年の336,333人に当てはめて計算すると、以下のような形になります。

個人旅行:約308,081人
団体旅行:約28,251人

個人旅行での来日が圧倒的ですね!

個人旅行が圧倒的という特徴は、ヨーロッパやアメリカ、そしてオセアニアの国々にも多く見られる特徴です。

2-1. フランス人個人旅行客の特徴

フランス人個人旅行客の特徴としては以下のことが挙げられます。

  1. 自分で旅行の計画を立てられ、自分でインターネットを使って必要なサービスの予約もできる。
  2. 英語でコミュニケーションが取れる。
  3. ホテルや航空券、電車のチケットなど、必要なサービスの手配が少数で済む。
  4. 年齢は20歳~40歳が多い。
  5. 一年中来日しているが、最も多いのは4月・7月・10月。

→1と3の理由から、時期を選ばずに自分のスケジュールや希望に応じて日本にやってきます。

2-2. フランス人団体旅行客の特徴

フランス人団体旅行客の特徴としては以下のことが挙げられます。

  1. インターネットがあまり得意ではなく、自分の必要な旅行の手配ができない。
  2. 英語でのコミュニケーションに不安を抱いている。
  3. ホテルや航空券、電車のチケットなど、必要なサービスの手配が多く、前もって手配する必要がある。
  4. 旅行会社を経由して日本にやってくることが多い。
  5. 年齢は50歳以上である場合がほとんど。
  6. 募集型企画旅行以外(旅行会社が企画するパッケージツアーのこと:例 「ルックJTB」など)は、基本的に4月・5月・10月・11月以外の来日がない。

→1・3・4の理由から、来日の6ヶ月以上前から準備を進めることがほとんど。
※旅行会社は「依頼を受けたが、必要サービスの空きがなく、手配ができない」という状態を恐れため、安全マージンも含めて前広に旅行の準備することを依頼者に提案する傾向があります。

3. 旅行回復期は個人は2022年春、団体は2022年秋

個人と団体の訪日旅行の旅行時期と準備時期を比較すると、以下のようになります。

旅行時期
個人: 一年中来日しているが、最も多いのは4月・7月・10月。
団体:募集型企画旅行以外は、基本的に4月・5月・10月・11月以外の来日がない。

旅行準備期間
個人:個人のスケジュール・希望に合わせて応じて来日。
団体:来日の6ヶ月以上前から準備を進めることがほとんど。

これらの特徴を考慮した上で、仮に日本政府が2021年11月時点で「外国人を含む、ワクチン接種者に対する行動制限及び日本入国後の14日間の隔離を緩和する」という発表をしたと仮定します。

その場合、個人客は個人の希望に合わせて柔軟に旅行を計画するので、おそらく「春の桜 (2022年3月末~4月上旬)」の時期を目掛けて日本への旅行を企画し始める可能性が高いです。

そして団体客は準備に6ヶ月以上を要するため、ギリギリ間に合って2022年5月の旅行を企画。
基本的には大事を取って2022年秋(10月・11月)の旅行を企画し始めることになると思います。

団体旅行の例外
団体旅行でも、以下の特徴があるものは2022年春に来日する可能性が高いと思います。

  1. 2020年内・2021年内に来日予定であったものが、新型コロナウイルスの関係で2022年春に延期となっているもの
    理由:既にツアーの催行人数に達しているため。
  2. 2022年春に設定されている募集型企画旅行で、特別価格や取り消し規定等において何らかの施策を打っているもの
    理由:団体旅行のネックとなる「必要なサービスの手配」が既に完了しており、催行人数にさえ至ればツアーの実施が可能となるため。

なお、もっとも可能性が高いのは1番。
2番目は可能性はあるものの、それほど期待はできないと思います。

まとめ:とにかく制限緩和の発表タイミングが大切

今回の記事では以下のことを紹介しました。

  1. 訪日外国人観光客の来日ピークは2019年で、合計で31,882,049人が来日した。
  2. フランス人観光客は大きく個人と団体に分けることができ、それぞれ準備期間や来日時期が異なる。
  3. 仮に2021年11月に制限緩和が発表された場合は、個人は2022年春、団体は2022年秋に来日し始める可能性がある。

個人・団体のフランス人観光客にはそれぞれ参加者や旅行発生時期に特徴があるため、需要回復時期は大きく異なってくると思います。

ただ、一つだけ忘れてはいけないのは、今回の予想は全て「日本政府が11月に外国人を含むワクチン接種者に対する行動制限・入国後の隔離緩和を発表した」という過程に基づいています。

そのため、この「制限緩和の発表」が後ろにずれ込めばずれ込むほど、フランス人観光客の来日は後ろ倒しなることが予想されます。

我々インバウンド業界においては、既に1年6ヶ月以上仕事がない訳で…。
一刻も早く制限緩和の目途が立つことを祈るばかりです。

À très bientôt
Kei

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