フランス旅行に行けるのはいつから?

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こんにちは!
フランスまとめサイト管理人の伊藤圭(@Kei_japonais)です。

僕は旅行会社(インバウンド専門)に勤めているのですが、グループ会社の多くが日本人の海外旅行(アウトバウンド)を取り扱っているため、よくホテル関係者の方や友人から「日本人の海外旅行解禁はいつから?」って聞かれます。

正直、未来を予想することは難しい。なので、具体的な時期を明示することはできないのですが、日本国民にコロナウイルスのワクチンか特効薬が供給された後になると思われますので、当面先になることは間違いなさそうです。

例えば、現時点では日本において本格的にワクチンが供給されるであろう時期は2021年1月~3月と言われています。

『ワクチン1億2千万回分を供給へ アストラゼネカと合意』
https://www.asahi.com/articles/ASN876QG7N87ULBJ00J.html
2020年8月7日 朝日新聞デジタル

いつもとテーマは少し異なりますが、今回は皆さんが気になる「海外旅行の解禁」について、旅行会社の社員として、少し考えを述べたいと思います。

・初めての方向けに自己紹介

管理人はフランス語と英語を使って仕事をしています
・社員数約480人のインバウンド専門旅行会社に勤務。
・大手旅行会社のグループ会社の一つ。
・取引国はほぼ全世界。
・2013年11月に転職で入社。
・海外営業部・ヨーロッパを担当する課に所属し、7年以上フランス語と英語を使って仕事をしている。

1. 国内旅行の回復を最重視する日本政府

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2020年7月22日から国内旅行代金が最大で50%支援される(上限は2万円)「Go To トラベルキャンペーン」が開始しました。

東京発着ツアーがキャンペーン対象外とされたり、愛知県や沖縄県が緊急事態宣言を発令するなど難しい状況下ではあるものの、多くの旅行業者が国内旅行需要の回復を期待しています。

コロナ禍の前は、ニュースなどで連日「インバウンド=訪日外国人観光客」が取り上げられていたこともあり、国内旅行がなんとなくインバウンドの陰に隠れていてしまったような気がします。

ですが、元々日本の旅行市場(合計26.1兆円)は国内旅行が約80%(22.5兆円)を占めており、対するインバウンドは約17%(4.5兆円)程度。
実は旅行消費額で言えば、国内旅行こそが日本の旅行市場を支えている状況にあるんです。

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観光経済新聞 「国内での旅行消費額26.1兆円 2018年観光庁統計」より引用
http://urx.red/XxWh

ちなみに僕らが気になる海外旅行に関して、海外に出発する前に日本国内で消費するお金は、全体のたったの4%(1.1兆円)。旅行消費額の大半が渡航先(海外)に落ちてしまうので、日本の旅行会社のパッケージツアーを利用しない限り、あまり日本経済に直接的な恩恵はありません。

訪日観光客の誘致したり、日本人に海外旅行を促すよりも、国内旅行需要を回復させる方がはるかに大きな経済効果が得られます。
そのため、日本政府は国内旅行の回復を最も重要視していることが予想されます。

2. ゼロリスク政策が海外渡航をより困難にする

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「ハイリスク・ハイリターン」、「ノーリスク・ノーリターン」という言葉を聞いたことがあると思います。

「危険を冒せば、その分得られる利益も大きく、危険を冒さなければ、得られる利益はない(あるいは少ない)」という意味です。
いわゆる、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」ですね。

今の日本政府や地方自治体は、良い・悪いという話は置いておいて、基本的に「リスクを取らない」政策を重要視していると感じています。
※ 例えば、「Go To トラベルキャンペーン」から東京発着を除外したり、キャンペーン下という「お金を稼ぐ絶好のチャンス」において、緊急事態宣言を発表する地方自治体があるということから、上記のように感じています。

現政権や地方の支持基盤がコロナウイルスによって重症化しやすい高齢者層(65歳以上)です。

しかも、コロナウイルスは「指定感染症」及び「検疫感染症」に指定されています。

生命保護の観点や、医療崩壊を防ぐといった観点から、リスクを取る行動は、多くの国民の支持を得られにくい可能性があります。

感染リスクを取って日本人の海外渡航や訪日観光客の入国制限を緩和しても、国内旅行需要に勝る大きな経済効果は得られません。

そのため、政府やほぼ全ての地方自治体は、「ワクチンや特効薬が日本国民及び渡航先の国民に対して十分に確保されない限り、渡航制限は解除しない」という行動を取るような気がしています。

3. でも、経済合理性だけが全てじゃない

国内旅行需要の回復を重視することは極めて経済合理性の高いことではあるのですが、問題もあります。

例えば、僕が勤務しているようなインバウンド専門の旅行会社は、渡航制限が緩和されない限りほとんど仕事が無い状態です。

日本のホテルや旅館も同様に、宿泊施設によって顧客の比率(例えば日本人宿泊客が予約の50%、外国人訪日観光客が予約の50%を占めるなど)は異なります。

国内の予約をメインに受け付けているところは国内需要さえ回復すれば何となるかも知れませんが、外国人比率の高いところはインバウンドが回復しないとどうにもなりません。

日本人の海外旅行もそうですね。
フランスやスペイン、イタリアなど、国内旅行よりも海外旅行客(向こうからしてみれば「インバウンド」です)の消費に頼っていた国々は、日本人を含む海外旅行客が減ってしまうと、経済的な打撃を被ってしまいます。

他にも経済効果だけでは説明できない、大切な事柄も多いです。「せっかく新婚旅行でフランスに行く予定だったのに、コロナで行けない…」ということや、「留学でパリに行くはずだったのに、計画が台無し」など、海外に行くことで、一生の思い出になることや経験になるはずだったことが、今はできなくなってしまっています。

ですが、日本人の渡航制限及び諸外国からの入国制限全面緩和に関して、おそらく日本政府は、日本国民へのワクチン及び特効薬の供給を待つことでしょう。

そして、それは少なくとも2021年1月~3月以降になると思います。
※ちなみに、2021年1月~3月の間には3,000万回分のワクチン供給を受ける予定です。一人2回ワクチンを投与する必要があるとしたら、1,500万人分のワクチンとなります。日本の人口は約1億2,000万人ですから、国民全員にワクチンが行き渡るのは、もっと先になるでしょうね。

以上のことはあくまで僕の予想でしかないことですが、皆さんがこれからの海外渡航を考える上で、少しでも参考になりましたら幸いです。

À très bientôt,
Kei

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