こんにちは!
フランスまとめサイト管理人の伊藤圭です。
大学生の頃、一時期NHKラジオフランス語講座を受講していたことがあります。
↓まいにちフランス語 入門編↓
↓まいにちフランス語 応用編↓
「毎月そのテキストとCDを買って、毎日1単元ずつ進めていく。全部の単元を終えた後は、また最初に戻って復習する」ということを、彼是2年間くらい続けていました。
あの時思ったんですけど、NHKのラジオ講座ってすごく良質なんですよね。
番組もテキストもすごく作りこまれていて、「流石はNHK!やはりクオリティが高い!」とか生意気にも思っていました(笑)
2月号の雑誌『ふらんす』を読んでいて、「NHKラジオフランス語講座の起源は1931年にまで遡る」という一文に出会いました。
1931年!マジで!?
そんな前からあるの!?
っと、思わずビックリしたことを覚えています。
僕はこういうものは、一度気になると調べてみるまでずっとムズムズする性分です(笑)
というわけで、今回はNHKラジオフランス語の講座の歴史に迫ってみようと思います。
本題に入る前に、初めての方向けに自己紹介。
1. NHKラジオ放送の開始は1925年
NHKのホームページにある「NHK放送史」というコーナーによると、最初のラジオ番組が放送されたのは1925年3月1日であり、今から約97年前まで遡ります。
ラッパ型スピーカーのラジオと鉱石ラジオという二種類のラジオがあり、前者は非常に高価だったため、多くの人が後者を購入していたとのこと。
鉱石ラジオはヘッドフォンを付けなければ聞くことが出来なかったため、皆で集まって一緒に聞くということが当時は中々できなかったそうな。
2. NHKラジオフランス語講座は1931年に始まった
ラジオ放送は「文化の機会均等・家庭生活の革新・教育の社会化・経済の敏活化」を達成させることがその役割といわれており、1931年には「教育放送」を充実させるべく、ラジオ第二放送が始まりました。
第二放送といえば、「語学講座」も第二放送。
1931年には早くも「オリジナルテキスト」とともに、フランス語講座が開始されます。
ちなみに、1937年のフランス語講座のテキストは「1930年代 黎明期&戦前のNHKテキスト スペシャル②|NHKテキストクロニクル」にて表紙と少しだけ中身を見ることができます。
※テキスト2:1937年発刊『速成 佛蘭西語講座 夏期』の画像を見てみてください。
すっごい味があるテキストです。
見ていると優しい気持ちになれます。
3. 戦時中は放送中止へ
1941年の太平洋戦争の開戦をもって、英語やフランス語講座は「敵性語」とみなされ、放送が中止されてしまいます。
ただ、枢軸国の言葉である「ドイツ語」と「イタリア語」の講座は、しばらくは続けられたそうな。
そして、フランス語講座の記録は見つかりませんでしたが、英語講座については、1945年にGHQの間接統治が始まったことを契機として、放送が再開されるようになりました。
4. 少なくとも1957年には放送再開
フランス語講座の正式な放送再開記録は見つけることができませんでしたが、1957年には既に「フランス語の中級講座」が放送されていました。
「初級」ではなく「中級講座」が始まっていたということは、割かし早い段階で放送が再開していたのではないかなぁと思います。
1957年のフランス語講座のテキストは「1950-60年代 語学テキストの多様化 スペシャル⑤|NHKテキストクロニクル」にて表紙だけ見ることができます。
※テキスト4:1954年発刊『中国語入門講座 12・1月用』の一番上から三番目の写真の左下を見てみてください。
戦前の堅っ苦しい漢字から、平仮名で「ふらんす」と書かれています。
話変わるけど、「ひらがな」ってやっぱり柔らかい感じがするよね。
5. 長きに亘って愛される「NHKラジオフランス語講座」
今回はNHKラジオのフランス語講座の歴史を振り返ってみました。
その放送開始は1931年。
太平洋戦争中は放送中止となってしまったものの、それを差し引いても、とても長い年月に亘って多くの人々に愛されてきたのだと思うと、なんだか胸が「じ~ん」としてきます。
それにしても、1931年って、昭和6年なんですよね。
昭和6年に、果たしてどれだけの人がラジオでフランス語を勉強していたのだろうか…。
その人たちも、「フランス語文法って本当に難しいなぁ」とか、「活用とか分けわかんないなぁ」とか思っていてくれたらなんだか嬉しいなぁ、なんて勝手なことを考えています。
À très bientôt
Kei
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