こんにちは!
フランスまとめサイト管理人の伊藤圭です。
2022年4月10日にいよいよフランス大統領選挙の本選挙が実施されます!
この本選挙で全投票の過半数を獲得する立候補者がいなければ、4月24日に上位2者による決選投票が実施される予定です。
ドイツと共にヨーロッパの統合を推進し、大きな存在感を発揮するフランス。
16年にも及ぶ長期政権を築いてきたドイツのメルケル首相がショルツ首相へと席を譲った今、一体だれがフランスの新しいリーダーとなるのか、非常に注目されています。
ただ一方で、こんな方もたくさんいらっしゃると思います。
コロナ騒ぎで、新聞やTVであまり放映されていないから、今どんな立候補者がいて、どんな状況になっているのかちょっとわからない。
というわけで、今回は主な大統領候補者5名の概要と「各候補者がどれくらい支持されているのか」について、解説させていただきます!
本題に入る前に、初めての方向けに自己紹介。
フランス大統領選挙の仕組みについておさらいしたい方は、こちらの記事も読んでみてね!
4月10日の本選挙結果はこちら
1. 2022年フランス大統領選挙~有力立候補者5名の概要~
今年のフランス大統領選挙の立候補者は合計12名。
内、これからご紹介する5名が有力な立候補者と考えられています。
ここでは、有力立候補者5名の所属や略歴、政治的イデオロギー等についてご紹介させていただきます。
5名の有力立候補者は以下の通り。
- エマニュエル・マクロン氏
- マリーヌ・ルペン氏
- バレリー・ペクレス氏
- エリック・ゼムール氏
- ジャンリュック・メランション氏
1-1. エマニュエル・マクロン氏
所属政党:共和国前進(La République En Marche)
言わず知れた現フランス共和国大統領。
今回は政権2期目を目指しています。
概略
- 元投資銀行家
- 現在44歳
- 2017年の大統領選で、「左派・右派を超えた超党派」として登場し、勝利。
- 政治的イデオロギー:超党派を目指しているが右傾化(by 管理人のフランスの友人)
- 「左派・右派」という伝統的且つ硬直化したフランスの政治体制を破壊。
- 現政権においては経済成長と雇用創出を促す改革を実施。
- 左派はマクロン氏を『日々の生活苦を無視した「金持ち大統領」』と批判している。
1-2. マリーヌ・ルペン氏
所属政党:国民連合(Le Rassemblement National)
マリーヌ・ルペン氏は歴史ある極右政党「国民戦線」の流れをくむ「国民連合」の党首です。
今年の3度目の大統領選出馬となり、専門家によると「政治生命がかかっている」とのこと。
概略
- 現在53歳
- 「国民連合」の党首。
- 長年「国民戦線」の党首を務めたジャンマリー・ルペンは実父。
- 政治的イデオロギー:極右
- ジャンマリー・ルペン時代の人種差別的で排外主義と見られていた「国民戦線」を「無毒化」し、右派の有権者に広くアピールを試みた。
- 極右色を薄めた結果、同類の右派政治家がルペン氏の支持基盤に侵食し始めている。
1-3. バレリー・ペクレス氏
所属政党:共和党(Les Républicains)
ペクレス氏は自らを「英国のマーガレット・サッチャー元首相とドイツのアンゲラ・メルケル前首相を組み合わせたような人物であり、政治合意手腕に長け、改革者の気概を兼ね備えている」と表現しているようです。
なんか自信家な印象を覚えますねぇ。
概略
- 現在54歳
- 政治的イデオロギー:右派(保守主義)
- 財政・社会面で保守的は考えを表明。
- 大統領当選の暁には、フランスの出入国管理行政や治安の問題を抱える貧困地域の状況、膨張する債務問題を改善すると主張。
- 保守派のジャック・シラク前大統領の弟子で、ニコラ・サルコジ政権下で大臣を務めた。
- 現イルドフランス地域圏議会の議長。
1-4. エリック・ゼムール氏
所属政党:再征服(Reconquête)
ゼムール氏は今回が初めての大統領選出馬となります。
作家であり、政治的なポジションは極右。
アルジェリア系ユダヤ家庭の生まれです。
概略
- 現在63歳
- 政治的イデオロギー:極右ナショナリズム
- 作家
- 「フランスはかつて偉大な国であったが急速に衰退し、イスラムと移民の脅威から守らなければならない」と主張。
- 戦後の人種統合政策の成功が、現代においては崩壊しているとも主張している。
- 過去に人種差別をあおる罪で有罪判決を受けた経歴がある。
1-5. ジャンリュック・メランション氏
所属政党:不服従のフランス(La France Insoumise)
メランション氏は今回の立候補者の中で最年長の70歳。
社会党時代に大臣を務めた経験を持っています。
右派に対抗する「大衆派」として自らをアピールしようと試みていますが、管理人の友人のフランス人曰く「極左」的な主張が目立つとのこと。
概略
- 現在70歳
- 政治的イデオロギー:急進左派(極左)
- 社会党時代に大臣を務めた経験有。
- フランスはNATOから離脱すべきという主張を掲げている。
- プーチンを素晴らしい指導者と敬っている(by 管理人のフランス人の友人)
- 資本規制のほか週32時間労働、年金支給開始年齢を60歳に戻すことを提唱。
- ロシアのウクライナ侵攻以降、世論調査で支持を伸ばしている。
※↑他の左派系候補者が辞退していることが影響していると考えられている。
2. 世論調査に基づく支持状況
2022年3月28日に更新されたREUTERSの記事を基に、それぞれの立候補者の支持状況を本選挙・決選投票に分けてご紹介します。
2-1. 本選挙(4月10日)の各立候補者の支持状況~誰が決選投票に進む?~
REUTERSが参考している世論調査によると、本選挙はエマニュエル・マクロン氏が1位通過が予想されています。
- エマニュエル・マクロン氏:予想得票率28%
- マリーヌ・ルペン氏:予想得票率20%
- ジャンリュック・メランション氏:予想得票率14%
- バレリー・ペクレス氏:予想得票率11%
- エリック・ゼムール氏:予想得票率10%
本選挙時点で50%以上の得票率を獲得する候補者はおらず、ほぼ間違いなく決選投票が実施されることが予想されています。
2-2. 決選投票(4月24日)の得票率予想~誰がフランス大統領になる?~
エマニュエル・マクロン氏の当選が濃厚!
色々なことがシュミレーションされていますが、結論から述べるとエマニュエル・マクロン氏の当選が濃厚であると考えられています。
シュミレーション①:マクロン氏 VS ルペン氏
マクロン氏 予想得票率56% | ルペン氏 予想得票率44% |
シュミレーション②:マクロン氏 VS ペクレス氏
マクロン氏 予想得票率64% | ルペン氏 予想得票率36% |
シュミレーション③:マクロン氏 VS ゼムール氏
マクロン氏 予想得票率64% | ルペン氏 予想得票率36% |
果たしてこのまま世論調査通りマクロン氏が当選し、2期目を迎えるのか?
あるいは、マクロン氏に代わる新たな大統領が誕生するのか?
早ければ4月10日!
遅くとも4月24日は結論が分かります!
注目して、見守りましょう。
À très bientôt
Kei
追伸
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基本的に頂いたコメントには全てご返信させていただきます!
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