こんにちは!
フランスまとめサイト管理人の伊藤圭です。
2022年4月24日にフランス大統領選挙の決選投票が実施され、エマニュエル・マクロン氏が再選となりました!
まさに五年前の2017年と同じ組み合わせだったね!
結果としてマクロン氏が勝利したけど、極右政党のマリーヌ・ルペン氏は41.4%の得票率を得ていたよ。
極右の支持率が4割も超えているなんて、これから先、日本人を含む外国人はフランスに旅行に行っても大丈夫かな?
管理人さんのツイートにも結構な反響があったし、みんな心配しているんじゃないかな…。
僕はこの結果で良かったと思っている。
— 伊藤 圭🇫🇷フランス語で働く🇫🇷 (@Kei_japonais) April 25, 2022
それにしても、穏健化したとはいえ、ル・ペンは一応極右ですよ。
フランスもドンドンと右傾化してきているな。 pic.twitter.com/1wqIqDnsWA
確かに、極右の得票率4割越えは結構衝撃的だよね!
でも、実際にフランスの全人口の4割が極右を支持しているわけではないし、「極右=外国人排斥」ではないから、これから先もフランスに旅行に行っても大丈夫だと思うよ。
そのことについて、一緒に詳しく見てみよう!
本題に入る前に自己紹介。
1. 決選投票の得票率・得票数の整理
4月24日に行われた2022年フランス大統領選挙決選投票の得票率・得票数は以下の通りでした。
候補者名 | 得票率 | 得票数 |
エマニュエル・マクロン氏 | 58.6% | 18,779,809票 |
マリーヌ・ルペン氏 | 41.4% | 13,297,728票 |
これだけ見ると、やっぱり極右であるマリーヌ・ルペン氏が4割以上の国民から支持されているように思えるのだけど、そうじゃないの?
実はそういうわけじゃないんだよ。
じゃあ次の章で、まずは「4割以上の国民が極右を支持しているわけではない」ってことを確認してみようか!
2. 有権者数全体でみると、極右の比率は4割も行かない
2022年の登録有権者数はこんな感じでした。
登録有権者数は48,752,500人!
つまり、登録有権者数っていうのは、18歳以上のフランス人の総数のことを指すんだね!
この総登録有権者数で今回のマリール・ルペンに投票した人の人数を割ると…
13,297,728票÷48,752,500人=27.3%
「国民の約半数!」というイメージから、一気に「18歳以上の有権者の4人に1人」という数字にまで落ちたね。
※ちなみに、有権者の約28.0%にあたる13,656,109人は白票や無効投票などのいわゆる「欠席」扱いの票だったよ。
あっ!本当だ!
なんかいきなり印象ガラッと変わったね。
でもさ管理人さん!
「有権者の4人に1人が極右!」って、やっぱりそれでも多いっていう印象は拭えないんじゃない?
3. マリーヌ・ルペンの政党は「脱悪魔」→穏健化・現実路線化していた
確かにエリソン君の言う通り、「有権者の4人の1人が極右に投票」って、まだ少し怖い印象もあると思います。
ただ、マリーヌ・ルペン氏は2017年の大統領選挙の大敗以来、フランスの新聞社が「脱悪魔化」とこぞって論じるくらいに、「穏健化」・「現実路線化」することで、若者からの支持を増やしていったという背景があるんだよ。
そうだったんだね!
それってつまり、「極右」っていうほど、政治的に極端に保守的ではなくなってきたということ?
そうそう!
そんな感じだよ!
2017年以来、「移民排斥」という過激とも取れる発言は控えてきたし、2022年の公約で強調した点も「経済」とか「医療」とか、国民の身近な生活に関わる政策に関するアピールが多かったんだ。
そうかぁ!!
じゃあ、「フランスの有権者の4人に1人が極右を支持」というよりかは、「マクロン氏とはまた異なる視点の右派政党を支持した」という感じってこと?
そういう風にとらえてもらって大丈夫!
だから、「フランス全体は確かに右傾化」はしているけど、「外国人を締め出す!」みたいな過激な思想はまだまだマイノリティだから、フランスへの海外旅行が再開になったら、安心して旅行に行ってもらっていいと思うよ!
まとめ:そんなに心配する必要はない!
今回はこんなお話をしました。
- 2022年のフランス大統領選挙はエマニュエル・マクロン氏が再選
- マリーヌ・ルペン氏は4割越えの得票率を獲得。
- 4割越えの得票率=全フランス人の4割がマリーヌ・ルペンを支持しているわけではない。
- そもそもマリーヌ・ルペンは「穏健化」しつつあり、もはや政治的に「極右」ではなく、「マクロン氏とは異なる意味での右派」となっている可能性がある。
結論:日本人はこれまで通り安心してフランスに旅行に行けます!
※1 海外旅行再開次第
※2 フランスは日本より治安が悪いところもあるので、その点は気を付けてね!
À très bientôt
Kei
追伸
フランス大統領選挙の仕組みや主な5人の候補者の概要など、これまでの流れをおさらいしたい人は、こちらの記事も読んでみてね!
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