第5回フランス語人材のキャリアパス~村田龍介さん(フランス語業務全般を請け負うフリーランス)~

フランス語を使って仕事をしている方へインタビューをする企画!

5回目となる今回は、神奈川県にお住まいの村田龍介(むらたりゅうすけ)さんです。

村田さんはフランス語が求められる業務全般を請け負うフリーランスとしてご活躍されています。

村田さんとも、仕事を通じて知り合いました。

現在勤務しているインバウンド業界の会社に、僕がまだ転職してきたばかりの頃、フランス語通訳案内士として僕が担当していたフランス人団体のガイドを務めて下さったのが村田さんだったのです。

思えばもう7年くらいの付き合いになりました。

長いようで短い、短いようで長い7年だったと思います。

インタビュー内容に入る前に、まずは初めての方向けに管理人の自己紹介をさせて下さい。

管理人のプロフィール
  1. 東京生まれ東京育ち、仕事の都合で現在関西在住の36才。
  2. 大学生の頃にパリへの交換留学を経験(約1年間)。
  3. インバウンド業界で8年以上、日々フランス語と英語を使って仕事をしている。
  4. DELF B2(フランス語)・ TOEIC 825(英語)
  5. アンサンブルアンフランセ公認インフルセンサー
  6. 「フランス語の仕事に就きたい」という人を応援するフランス語キャリアアドバイザー

1. 村田さんのプロフィール

村田さんは、2007年に京都産業大学外国語学部フランス語学科(現、外国語学部ヨーロッパ言語学科フランス語専攻)のご卒業されています。

元々はスポーツジャーナリズムに関心をお持ちでしたが、

村田さん
村田さん

フランス語は国連の第二公用語であるだけでなく、スポーツの祭典であるオリンピックや世界の30カ国くらいでも通じるらしい。

きっと英語の他にフランス語が出来たら、スポーツジャーナリズムの世界において自分の活躍の場が広がるな。

と考え、フランス語学科に進学されることを決意されました。

大学入学後はフランス語の面白さに目覚め、すっかりはまってしまった村田さん。

管理人
管理人

あまりの面白さから、夏休みなどの長期休みの時も、大学の図書館で自主的に仏検対策をしたり、フランス語の単語を覚えたりしていたそうです。

大学卒業後は、「フランス語を使う仕事に就きたい」という想いを胸に、
フランスとイタリアの食料品を取り扱う専門商社に就職。

営業担当として入社し、「フランスとの折衝」を期待された村田さんですが、実際はフランス語を使う機会はなく、日本国内のレストランをまわる国内営業に従事。

村田さん
村田さん

最初はこういうものかな。

と、思ってはいました。

ただ、長く勤務している男性社員でさえ国内レストランを相手とした営業に従事しており、フランスとやり取りをしているコーディネーターの仕事は女性でないと担当ができないという雰囲気が社内にありました。

そして、

村田さん
村田さん

このままここで働き続けても、男性の自分がフランス語を使うポジションを得ることは難しいな…。

と考えた村田さんは、3ヶ月で退職を決意します。

紆余曲折を経て、2008年からフリーランスとして独立された村田さん。

  • 百貨店でのフランス人バター職人の通訳
  • 旅行番組や原発関連映画の撮影コーディネート
  • フランスにおける和雑貨の営業
  • 仏領ポリネシア(タヒチ)の祭典に関する書籍翻訳

など、フランス語に関する様々なお仕事を受注されます。

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フランス人プレゼンターの通訳をされる村田さん(写真右の男性)

2011年2月にはフランス語通訳案内士資格も取得され、活躍の場を更に拡大。

資格取得直後に東北・関東大震災が発生したため苦労もあったものの、2013年のインバウンド需要回復後は人気フランス語ガイドとして年中多忙な日々を送られ、今に至ります。

2. フリーランスまでの道のり~行動、行動、また行動~

上記で見てきたとおり、
フランス語が求められる業務全般を請け負うフリーランスとしてご活躍される村田さん。

  • ある時は通訳
  • ある時は撮影コーディネーター
  • セールスパーソン
  • 翻訳家
  • 通訳案内士(ガイド)

と、活躍のフィールドは多岐にわたります。

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フランス人フォトグラファーの撮影コーディネイターとして白鵬の取材をした時のワンショット
管理人
管理人

村田さんは我が社にとって、「とても優秀なフランス語ガイドさん」として有名なのですが、まさかフランス語通訳案内士のお仕事が「村田さんが活躍されているフィールドの一部でしかなかった」という事実には、本当に驚きです。

上記で記載したとおり、村田さんは2008年からフリーランスとして生きていくことを決意されますが、その道は決して平坦ではありませんでした。

2007年に食料品の専門商社を退職した後、エスパス・ラング東京という語学学校に短期で勤務。


ここでは、日本語を学びに来たフランス人の生徒達を対象にした小旅行(エクスカーション)の引率を3ヶ月間ほどご担当されます。

学生の時の通訳のアルバイトを除いて、初めてフランス語を使って仕事をされた村田さん。

この時、

村田さん
村田さん

フランス語を使って仕事をすることは、こんなに楽しいのか!

と、心の底から思われたそうです。

エスパス・ラング東京での勤務の次は、インターンシップをするためフランスに向かわれます。


村田さんは当時流行っていたmixi(ミクシィ)というSNSのとあるグループで、日本とフランスの友好の架け橋となるべく活躍されている、ある在仏日本人実業家の男性の投稿を見つけます。

管理人
管理人

その方はリヨンで、日系企業のフランス進出支援や、フランスで開催される展示会に出展する日系企業のサポートをされていたそうです。

「考える前に、とにかく行動することを大切にしている」

という村田さん。

すぐさまその方にmixi上でメッセージを送り、フランスへの想いを綴りました。

すると、なんとその方が丁度翌週日本に出張でいらっしゃるということで、その方とお会いすることに。

そして、特に予定をしていなかったにもかかわらず、
村田さんの熱意を買って、インターンとして受け入れて下さることになったのです。

本当に一生懸命働いた村田さん。

その働きぶりが認められて、翌年の2008年~2012年まで、
毎年その方から仕事を頂くことが出来ました。

この仕事は、フランスへの販路拡大を考える日系企業の商品をフランス人バイヤーに紹介し、その日系企業が出展する展示会に招待することを通じて、企業とバイヤーをマッチングさせるというものでした。

管理人
管理人

村田さんは毎年冬に2ヶ月間ほどフランスに滞在し、電話と足を使って仕事に専念されたそうです。

村田さん
村田さん

大学を卒業してから僅か2年にも関わらず、フランス語を通じた自分の仕事が認められただけでなく、報酬・飛行機代に加えて2ヶ月の滞在費まで負担してもらえました。

この時は、本当に嬉しかったです!

インターンを終えてフランスから帰国した後も、フランス語を使うことが出来る短期の仕事に就くことで、村田さんは人脈と経験を広げていきました。

リピーターや新しい人脈を獲得することで順調に仕事量を増やしていき、
今のように様々なフィールドで活躍されるようになったのです。

3. 村田さんのフランス語の勉強方法~今に生きるéchange(言語交換)~

フランス語通訳案内士には、

  • 日本の観光地の知識
  • 日本の歴史の知識
  • 日本の社会の仕組みに関する知識
  • 日本人の仕事感
  • 日本人の食事の作法

等々、本当に様々なことをフランス語で説明する必要があるため、相当に高いフランス語能力が求められます。

しかも、実は村田さんは長期でフランスに留学した経験は無く、
最長でも2ヶ月間の短期語学留学(パリ)のみで、ここまで高いレベルに辿り着かれました。

管理人
管理人

一体どんな風にフランス語を勉強されていたのか詳しくお話しを伺いましたので、ご紹介をさせて頂きます。

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フランス語通訳案内士としてフランス人のお客様に竹林の小径(嵐山)を案内する村田さん
Télématinをディクテーション

大学での授業に加え、村田さんは自主的にFrance 2 のニュース番組であるTélématinを見て、ひたすらディクテーション。
フランス語のリスニング力と理解力、ライティング力を高められました。

②ペンパルとのコミュニケーション

Skypeやメッセンジャーでペンパルを探し、基本的にはチャットでやり取りをされていました。
チャットだと履歴が残るので、ラジオやテレビのように「聞き取れない」ということがありません。
気になった、あるいは分からなかった表現や単語は、チャット後に自分で作っていた表現集や単語帳に意味を調べて追加し、覚えるようにしていたそうです。

③Échange(言語交換)

当初は日本語を学びたいフランス人に村田さんが日本語を教え、代わりにフランス語を教えてもらう予定だったのですが、最初のéchange相手からは、「フランス語で日本の文化を説明して欲しい」という要望を受けました。
というわけで、「フランス語で日本文化・社会を教える代わりにフランス語を教えてもらう」というéchangeのようなéchangeではない形になってしまいましたが、これが村田さんのフランス語人生にとって欠かすことのできない貴重な機会になったそうです。

村田さん
村田さん
  • 「日本の公道にはなぜゴミ箱がほとんどないのか?」
  • 「なぜ日本の電車は時間通りに来るのか?」
  • 「神社の鳥居はなぜ赤いのか?」

など、日本人にとって当たり前になっていることの理由を調べ、それをフランス語で説明するという作業は正直かなり大変でした。


でも、それがとてもレベルアップにつながったと思います。


その時調べたことや説明したことは、今のガイドの仕事にも活きていますね

と、村田さんは話してくれました。

上記の取組を見ていると、村田さんも、これまでインタビューで見てきた方達のようにアウトプットに力を入れられて来たことが分かります。

アウトプットを如何に増やせるかが、フランス語上達の鍵を握っているかも知れませんね。

ちなみに、最後にご紹介したéchange 相手を見つける方法がすごくユニークでした。

なんと、関西日仏学館(現、アンスティチュ・フランセ関西京都)と京大のエントランスで、ひたすらフランス人っぽい外国人に声をかけることでéchange相手を探したそうです。

村田さん
村田さん

当時は今ほどSNSも流行っていなかったので、échange相手を探す方法があまり思いつかなかったんです。


まぁ思い当たる実行可能な方法はこれしかないなと。


じゃあ、もうこれ以上考えるのは面倒だから、とりあえずやろう!という形で、勢いで始めました

と、村田さん。

管理人
管理人

なんというか、すごい行動力ですよね!

4. フランコフォンの皆さんに一言~行動、そして継続を~

村田さん
村田さん

フランス語を使うチャンスがある仕事は確かにあまり多くはありません。


とは言っても、関われる余地は十分にありますし、そこに行き着くアプローチも様々です。


自身の経験から言えることは、とにかく泥臭く行動し、それを継続することが大切だと思います。


日仏文化協会のフランス語求人を定期的にチェックする。


フランスに関するSNS上のコミュニティで情報交換し続ける。


良いなと思った会社があれば、たとえ求人をしていなくても、一度コンタクトしてみる。


場合によっては、自分の履歴書を送ってみる。


とにかく、色々なところに種を蒔くんです。


芽が出るのはいつになるか分からないし、とても時間がかかるかもしれない。


そもそも、芽が出ないこともあるかも知れません。


でも、諦めずに種を蒔き続けて下さい。そうすれば、いずれ必ず花が咲きますよ!

とにかく行動することの大切さを説く村田さん。

これまで自らアクションを起こすことによって様々なチャンスを掴んで来たからでしょう。

声はとても力強く、表情は自信に溢れている印象を覚えました。

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タヒチをPRするイベントにフランス語通訳として参加する村田さん(写真右端の男性)

村田さんはサロン・ド・ショコラの通訳も務められたことがあるのですが、これもまさに行動の賜物。

村田さん
村田さん

最初は会場での皿洗いのアルバイトとして働いていました。


その時、会場で通訳をされていらっしゃる方に思い切って「どうやって今回の通訳のお仕事を見つけられたんですか?」と尋ねたところ、「あなたは既にフランス語がかなり出来るようだし、是非とも次回から通訳として来て下さい」と、なんとその通訳の方からお仕事を頂くことが出来たんです。

その通訳の方は、村田さんがお皿を洗いながら、フランスからやってきたショコラティエとフランス語で流暢にお話をしているところを見られていたのでしょうね。

ひょっとしたらそれだけで終わってしまっていたかも知れませんが、
村田さんは通訳の方に思い切って話しかけてみることで、仕事の機会を得ることに成功しました。

管理人
管理人

積極的な行動が功を奏した素晴らしいエピソードですよね!

À très bientôt
Kei

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