フランス語を使って仕事をしている方にインタビューをするという本企画の記念すべき第一回目は、北九州市にお住まいの矢田ふみさんです。
矢田さんとはTwitterで知り合いになり、メッセージのやりとりをするなど仲良くさせて頂いていたのですが、実は今回対面でお話しするのは初めてでした。
ですが、とっても雰囲気が柔らかくて、こちらもリラックスして色々とお話を伺うことが出来ました。
以下、インタビュー内容となりますが、その前に初めての方向けに管理人の自己紹介。
1. 矢田ふみさんのプロフィール
矢田さんは九州大学文学部国語国文学科をご卒業。
フランス語は第二外国語として選択してされており、大学生2年生の後期から専門である国文学を学ばなければならないというご事情から、大学生の時はフランス語を2年間しか学ばなかったとのこと。
ご卒業後は、文学の研究者の道には進まず、
洋服が好きだったこともありアパレルメーカーに入社。
百科店などの大型店舗に商品を卸す法人営業をご担当されます。
日々やりがいを持っての臨んでいたものの、会社からの無茶な売上目標や過労がもとで体調を崩し、休職をされることに…。
そして休職中、癒しを求めてアロマテラピーを受診されたことをきっかけに、急速にヒーリングの世界に関心を持たれたとのこと。
ご自身もアロマテラピーを受診する傍ら、通信教育でアロマテラピーを学び、資格を取得するだけでなく、通院されていたサロンにて1年間の実務も経験。
その後、ご自宅に自宅サロン「アロマ&ヒーリング ネロリ」を開業され、現在に至ります。
2. 現在のお仕事はアロマセラピスト
というわけで、矢田さんはアロマセラピストとご活躍をされていらっしゃいます。
えっ?フランス語は?
と思われた方、ご安心を!
ここがまさしく現代的で、これから皆さんの可能性をぐっと広める働き方だと思うのですが、矢田さんは「副業」という形で、フランス語を使う仕事に関わっていらっしゃいます。
矢田さんはプロヴァンス生まれの老舗オーガニックコスメブランドLe Château Du Boisの日本総代理店である「ポルテボヌール株式会社(以下:ポルテボヌール)にて、副業フランス語翻訳者・通訳者としてご活躍されていらっしゃいます。
ポルテボヌールでの矢田さんの主なお仕事
- アロマセラピスト
- フランスから送られてきたアロマ製品に関する資料を日本語へ翻訳
- ライターとしてプロヴァンスに関するメルマガの執筆
- ポルテボヌールが実施しているプロヴァンス視察旅行に通訳として同行
僕の知り合いには、平日は本業として別の仕事を持つ傍ら、週末はフランス語通訳案内士として活躍されている人もいます。
お仕事のタイプにもよるでしょうが、副業という形で「フランス語の仕事と小さくても確かな接点」を作ってから、その接点を大きくしていく、あるいは増やして行くという矢田さんのやり方は、個人的にはすっごく有りだと考えています。
矢田さんは「副業という形でポルテボヌールにてフランス語の仕事を担当したことが、とある美容専門学校でのフランス語通訳の仕事につながる」という成功体験もお持ちなんですよ!
※詳細はまた後程お話します。
3. 矢田さんとポルテボヌールの出会い
矢田さんとポルテボヌールとの出会いは、矢田さんのご友人からの以下の一言。
なんか、Le Château Du Boisってゆーフランスのコスメブランドの日本総代理店が、博多の方にオープンしたんだって!
ご友人としては、「矢田さんのサロンで役に立つ商品があるかも」と考えてことだったのですが、矢田さんは「フランス」という言葉に反応し、なんとなく「これだ!」と思われたそうです。
実は、矢田さんはこの話が舞い込んでくるかなり前からフランス語の勉強を再開しており、当時は「フランス語を仕事でも活かしたいなぁ」と思っていました。
ご友人に教えて頂いたことをきっかけに、矢田さんはポルテボヌールに訪問し、社長とお話しする機会を得ます。
その時に、「私はフランス語を勉強しているんですよ!」と社長にお伝えしたところ、「そうなの!?私、英語は出来るのだけど、フランス語はちょっと。もし良かったら、このフランス語の資料を日本語に訳して欲しいのだけど…」という話になり、現在のように副業としてポルテボヌールに関わるようになったそうです。
矢田さんのお話を聞いていて、「矢田さんは、チャンスが来たときに、自分からチャンスをつかみに行ける人なんだなぁ」って思いました。
チャンスが来た時にチャンスをつかむためには、日頃から入念に準備をすることと、
チャンスが舞い込んで来たときに自らチャンスをつかみに行く行動力が必要です。
矢田さんは、日頃から「フランス語の勉強を継続していた」ので、「フランス語を使う仕事」というチャンスが舞い込んできた時に、チャンスをつかみに行ける体制(十分なフランス語能力)が整えられていました。
そしていざチャンスが舞い込んで来たとき、自らお店に訪問するだけでなく、「私はフランス語を勉強しているんですよ!」と相手にアピールすることにも成功しています。
この準備と行動力があったからこそ、矢田さんは現在のポルテボヌールとの関係を築くことが出来たのだろうなと思います。
「チャンスをつかむためには準備が大切!」ということについてもっと知りたい方はこちらの記事も読んでみて下さい!
4. 矢田さんのフランス語の勉強方法
この章では、矢田さんのフランス語の勉強方法についてご紹介します。
実は矢田さんは、大学卒業以来フランス語の勉強から遠ざかっていた時期がありました。
ただ、夫婦でフランス旅行に行くことになった時に状況は一変。
「どうせフランス行くなら、もう一度フランス語を勉強してみよう」ということで、アンスティチュ・フランセ九州に通うことを決意されます。
大学生の時に習っていたし、頑張って勉強していたのだから、まだ結構話せるかも…!
と少し期待していたものの、レベルチェックテストではまさかの入門…。
この結果への「悔しさ」から、矢田さんは再びフランス語への熱を取り戻しました。
最初はアンスティチュ・フランセの総合フランス語という講座を受講されます。
こちらの授業は、コミュニケーションに必要なすべての能力(話す、書く、聞く、読む、発音、文化)を身につけることを目的とした講座です。
この総合フランス語で力をつけ、その後は文化や文学など、ご自身が興味のある講座を受講するようになられたとのこと。
講座にもよりますが、基本的に1つの講座は週に1回、時間は90分~120分。
矢田さんは、多いときは週に2回、少なくとも週に1回は講座を受講されていたそうです。
矢田さんは常に目標を設定されながらフランス語を勉強されていました。
最初はDELF A1を目標とし、合格後はA2。A2合格後はB1、その後はB2といった具合に、「目標を設定→クリア→新しい目標を設定→クリア→新しい目標を設定」という形で、段階的に目標を引き上げていったそうです。
現在ではDELF B2を保持され、前述の美容専門学校での通訳業務のために、Le Français Chicのオンラインフランス語講座にて、フランス語通訳の勉強をされていらっしゃいます。
ちなみに数あるオンラインフランス語講座の中でLe Français Chicを選ばれた理由として、矢田さんは下記の4つを挙げられていました。
5. 矢田さんからフランコフォンの皆さんに一言
ご縁はどこにあるかわかりません。
ご自身の周りの人に、「自分はフランス語を使って仕事がしたいんです!」ということをアピールすることは、とても大切だと思います。
というメッセージを、矢田さんから頂きました。
実は矢田さんはポルテボヌールで培ったご縁がきっかけで、
とある美容専門学校での通訳のお仕事に巡り会うことが出来ました。
こちらの美容専門学校が実施する期末の面接試験にて、ベルギー(仏語圏)の先生が試験監督として来日をされるので、その際に先生と学生の間に入って通訳をするというお仕事です。
この通訳のお仕事は、ポルテボヌールが主催したプロヴァンス視察旅行の参加者の方から頂いたご縁でした。
参加者の方が偶然にも美容専門学校関係社と知り合いで、「フランス語の通訳者を探している」という学校側の要望を受けて、ポルテボヌールに連絡をしてきてくれたんです!
色々な方から頂くご縁を大切に紡いできた矢田さんらしいお言葉ですね。
そして、とても理にかなっている。
このブログを読んでくださっている皆さん一人一人が、既にたくさんのご縁をお持ちです。
それに皆さんのご友人や周りの人のご縁を加えれば、物凄い数のご縁となります。
周りの人が持っているご縁が、うまく自分の方に流れてくるように努力することも、自分自身でフランス語の仕事を探すのと同じくらいに大切なのではないでしょうか。
そしてもう一つ大切なことは、自分のところにご縁が巡ってきたときに、
それをきちんとつかめるように日頃から準備をすること。
それは明日なのか、1年後なのか、10年後なのか、誰にも分かりません。
でも、矢田さんはひたむきにフランス語を勉強し続けたことにより、ご縁が巡ってきたときにしっかりとつかみ取ることが出来ました。
・「周囲の人々のご縁の流れを自分に向ける努力」
・「ご縁が自分のところに巡ってきたときに、しっかりとつかみ取れる努力」
今回の矢田さんへのインタビューを通じ、上記の言葉をキーワードとして感じとった次第です。
矢田さんのように副業も含めてフランス語の仕事を探したいという方は、
是非とも下記の記事に紹介されている4つのサイトも活用してみて下さい。
今回のインタビューは以上となります。
皆さん、またお会いしましょう。
伊藤 圭
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